老年症候群による生活機能の低下

介護を受ける立場になりたくないのは誰でもですが、国民生活調査によりますとその原因は多い順に、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、高齢による衰弱(栄養不良や筋力低下)、骨折・転倒、認知症、関節疾患と続いており、ここまでで75%を占めています。

このような介護を予防するための研究が東京都老人総合研究所などを中心に行われており、その中で使われている「老年症候群」という言葉が今後キーワードとなりそうです。

75歳を越えると、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病よりも筋力低下、転倒・転落による骨折の後遺症、関節リウマチや変形性膝関節症等に代表される関節疾患、認知症が断然大きな問題となって来ます。

次第に友人付き合いが少なくなったり、町内会の役などを降りたりして、趣味の活動、生活範囲、社会的出番が縮小して行き、徐々に生活上必要な申請などの手続き、そして次には買い物や自宅の管理などもしんどくなってきます。

東京都健康長寿医療センター研究所では、このような生活機能の低下と転倒・骨折、閉じこもり、尿失禁、低栄養(虚弱)、認知症、うつ状態、爪の変形や水虫・魚の目・タコなど足のトラブル、口腔機能低下(噛んだり飲み込んだりの障害)などをまとめて「老年症候群」と名づけ、元気な高齢者の中から予備軍の方(特定高齢者)をピックアップし、早期から低下項目に応じた予防教室等で啓蒙や体操、筋力トレーニングなどのプログラムをすることにより予想以上の効果がみられることを統計的に証明されています。このような事実に基づき2006年度より市町村が主体となって介護予防事業がすでに進められています。

これまでの生活習慣病だけでなく、こうした「老年症候群」にも陥らないよう改めて気をつけたいものです。背中や膝、足の変形・痛み、虫歯、歯周病などは早めに対処しておき、転倒や事故に十分気をつけながらウォーキングや運動、趣味のことを続けましょう。そして興味ある新しい事にも積極的に取り組んで、いつまでも若々しくいようという気持ちが何よりも大切です。