クラミジアは心臓病やエイズも誘発するSTD(性感染症)

感染症はノロウイルス、サルモネラ、コレラのように不衛生な環境が原因となるタイプのほか、人間同士の密接な接触、すなわちキスやセックスで感染するもの があります。これがSTD(性感染症)と呼ばれるもので、20種類以上存在しています。その代表は、性器クラミジア、トリコモナス膣炎、梅毒、B型肝炎、尖形コンジローム、エイズなどです。

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日本国内における性感染症の年間感染者数は約500万人と推測されており、なかでもクラミジアの感染率が高く、男女合計した性感染症の半数近くを占めています。特に10代後半から20代の若い世代に流行しており、注意喚起がなされています。

性器クラミジアはクラミジア・トリコマチスという細菌が性器に感染することで発症する病気です。クラミジアに感染すると男性では約2週間の潜伏期間後にペニスの先から透明な膿が出てたり、排尿時の痛みなどが現れます。ただし、女性の場合は子宮頚管に感染しても自覚症状が現れないケースの方が多いので注意が必要です。

感染を放置していると、男性では尿道炎や副睾丸炎、女性では子宮卵管炎や子宮頚管炎のリスクがあり、子宮頚管炎が進行して骨盤腹膜炎になると、卵管が詰まって不妊になることがあります。

また、クラミジアに感染するとエイズを発症させるHIV(人免疫不全ウイルス)への感染リスクが上昇します。HIV陽性者とコンドームを着用せずにセックスを行った場合の感染率は1~10%と推定されていますが、クラミジアに感染するとこの数字が3~5倍上昇するとされています。

感染リスクが大きく上昇する理由は、クラミジアを撃退しようと、免疫系のヘルパーT細胞が感染部位に接近しますが、HIVはこのヘルパーT細胞を破壊してしまうからです。したがって、クラミジア感染の増加はHIV感染を誘発することになるのです。

そのほか、アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Associationでは、心臓病の患者からクラミジアが高率で発見されていおり、心臓病をも誘発させるリスクが指摘されているため、こちらも注意が必要です。

性器からの膿、排尿時の痛み、おりものの異常(臭い・色の変化)は、典型的な性病の症状です。性病の感染を疑ったら、病院で検査を受けることが大切です。医師からクラミジアと診断されたら、パートナーも一緒に病院を訪れて、治療を行います。

クラミジアの治療は、ミノサイクリンやドキシサイクリンといったテトラサイクリン系抗生物質を服用すれば、2週間ほどで治ります。予防はセックスの際にコンドームを使用するだけで、感染率を大きく下げることができます。